一刻も早く心療内科や精神科に連れて行く

先のページで「心の病は様々な要因が重なっているため、『これが正解』という接し方はない」と書きましたが、この「一刻も早く心療内科や精神科に連れて行く」という対応は、心の病を患うご家族や親しい方を持つ人にとって、唯一「これが正解」といえる対応でしょう。

心の病はその症状によっては数ヶ月～数年で治癒する場合もあり、実際に私も今と同じ社会不安障害や予期不安、広場恐怖といった症状を子供の頃から3回繰り返しておりますが、過去2回はこれが病気だという認識すらなく当然病院にも行きませんでしたが、数年でほぼ完全に治りました。

しかし小学校の時は6年間の半分を不登校、18歳の時に患った時は2年半ほど引きこもりと明らかに膨大な時間を無駄にしており、今になって思えば「早く病院に行っていればもっと早く治ってまともな生活を送れただろうに…」と後悔しています。

もうひとつ私の話をさせてもらうと、母が統合失調症で幻聴と妄想に囚われどうにもならない時、母は「私は正常だ」と精神科にかかる事を頑なに拒否しましたが、強引に車に押し込め無理やり精神科に連れて行ったという経緯があります。

これによって母は精神病院に数ヶ月入院する事になりましたが、それにより自分の病気を正しく認識し、適切な治療により症状は大きく改善され、今も薬は飲んでいますが日常生活に支障がないまでに回復し10年以上が経ちました。

母自身も入院後は自分の病気への理解や改善する病状に「病院に来て良かった」と言っていましたし、私も「強引にでも連れて行って良かった」と心から思っています。

本来なら心の病を患っている人間に「強引」はタブーなのですが、病院に行かなければ分からない事はたくさんありますし、適切な投薬や治療、医師からのアドバイスによって症状は確実に改善へと向かうでしょう。

とはいえ、この「強引に精神科や心療内科に連れて行く」というのは最終手段で、出来れば本人了解のもと自主的に病院で診察、治療を受けるというのが望ましいので、それとなく促してみたり、それでもダメなら説得してみるべきでしょう。

ただ、そうこうしている内に時間が経って症状がどんどん悪化してしまう事も考えられますから、時には思い切った行動も必要になるかと思います。

「強引に」という事に躊躇する方も多いと思いますが、本人のためを思えばこそ心を鬼にする事も大事ですし、病状が改善されれば本人も「あの時強引にでも連れてきてもらって良かった」と感じるはずです。

仮にそれで人間関係が壊れてしまうのであれば、しょせんその程度の関係で、遅かれ早かれ人間関係は崩壊していくと私は考えます。

心の病は症状によって命の危険にさらされる場合もありますから、出来る限り速やかに心療内科や精神科に連れて行って下さい。