パニック障害、パニック発作の主な原因

パニック障害の原因となる要素は様々な説が提唱されておりますが、「これが原因だ」という決定的なものはなく、完全な解明には至っていないというのが現状です。

心の病は色々存在し、もっとも広く知れ渡っているうつ病の印象から、多くは過度な心因的、身体的なストレスが原因であるという認識を持つ方も多いと思いますが、パニック障害においては「ストレス」は直接的な原因ではないという見方が大勢です。

パニック障害は不安障害のひとつに分類されるものの、近年では「心の病」というよりは「脳機能の障害」と受け止められており、具体的には…

■ストレスホルモンのひとつであり、不安や恐怖を引き起こし、興奮、緊張作用のある「ノルアドレナリン」が過剰に分泌されている

■ノルアドレナリンにより引き起こされる不安や恐怖を和らげる作用のある「セロトニン」という神経伝達物質の分泌が鈍く、不足している

■上記とは逆にセロトニンが過剰である
■上記脳内物質を受け止める受容体の機能異常

…といったもの。

これら脳内物質の増減に影響を与えるもの、パニック発作を引き起こす可能性があるものとして下記が指摘されています。

■コーヒー(カフェイン)
■タバコ
■酒類(アルコール)
■咳止め薬
■コカイン、覚せい剤などの麻薬
■過度の疲労
■睡眠不足
■低血糖
■遺伝

つまり現在のところは上記のコーヒーやタバコ、アルコールなどの様々な要因によって脳内の神経伝達物質が増減し、結果パニック発作を引き起こすパニック障害になる…という見方が有力です。

神経質、心配性の人がパニック障害になりやすいという話もよく聞きますが、パニック障害になった結果神経質、心配性になったという見方もでき、必ずしも性格が影響しているとは言い切れません。

「脳内物質が原因ではどうにもならないじゃん」と感じるか「明確に脳内物質が原因なら対処法が見えてくる」と感じるかは人それぞれですが、脳内物質が原因であるなら「SSRI」や「三環系抗うつ薬」などの坑うつ薬がかなり有効となり、認知行動療法と併用することでかなりの改善が見られるはずです。

未だ完全に解明されていないとはいえ、世界的にパニック障害などの患者数は多く研究も盛んですから、徐々に原因がハッキリしてくるでしょうし、より有効な薬も開発されるでしょうから、あまり悲観しないようにしましょう。

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