大うつ病(大うつ病性障害)の特徴や治療法
軽度ではない一般的なうつ病が「大うつ病」
大うつ病とは正式には「大うつ病性障害」といい、「大」と付く事から「ものすごく悪い(酷い)状態のうつ病なのかな?」と感じる方も多いと思いますが、軽度(軽症うつ病)ではない一般的なうつ病を指します。
まあ軽度ではないうつ病は重大な病気なので「一般的」という表現は違和感がありますが…
そして大うつ病にはよく知られた「DSM-IV-TR」という診断基準があり、これは「うつ病」をインターネットで調べればたくさん出てきますが、一応ここにも載せておきます。
他のページでも取り上げている「内因性うつ病」「身体因性うつ病」「心因性うつ病」などと「大うつ病」は別の病気ではなく、大うつ病とは様々に分類されたうつ病の程度を示すもので、仮に心因性うつ病でも重い症状であれば「大うつ病」軽い症状であれば「軽症うつ病」といったように診断されます。
大うつ病の主な精神症状と身体症状
大うつ病が一般的なうつ病の呼び名は分かったが、具体的にどんな症状が出るのか?
大うつ病の主な症状は以下の通り↓
●精神症状
■悲しい、虚しいなどの憂鬱な気分
■仕事や趣味にやりがいや楽しみを見出せず、喜びの感情が喪失する
■仕事や趣味に対する意欲が低下し、テキパキとした行動ができない
■過剰な罪の意識を感じたり、無力感、無価値感がある
■「自殺すれば楽かも」といった自殺への関心がある
●身体症状
■睡眠障害、特に眠りが浅くよく目が覚めたり、早く目覚めたりといった事が多くなる
■食欲低下し、1ヵ月で5%以上の体重減少がうつ病の一つの目安になる
■疲労感、倦怠感
■胃部不快感、下痢・便秘、頻尿
■首や肩のこり、腰痛、腹痛
■性欲減退、月経不順、インポテンツ
精神的な症状は典型的なうつ病の症状ですので、一般的な気分の落ち込みの範囲を逸脱した「病的な精神症状」が現れればうつ病の目安になりますが、多岐に渡る身体症状はうつ病とは関係ない単体の病気と判断される事も多く注意が必要です。
これらを見ても「心=精神」というものがいかに身体の状態を左右し、その「心」が変調をきたせば身体にも大きな影響を与えるという事がお分かり頂けると思います。
うつ病は「気分障害」の一種で、「気分障害」と聞くと大したことないように感じますし、無知な人間は「サボり病」と揶揄したりしますが、決してそんな甘いものではありません。
ご自分、もしくは家族の方などが「DSM-IV-TR」の診断基準に当てはまったり上記の症状が認められる場合には、少しでも症状が軽いうちに心療内科などを受診するようにして下さい。
大うつ病の対処法や治療法は?
大うつ病の基本的な治療法はパキシルやレクサプロといった抗うつ薬やレキソタン、ソラナックスなどの向精神薬を用いた薬物療法と、ものの考え方や捉え方などを見直す認知行動療法の2つになり、症状が重篤であった場合などは入院なども視野に入れます。
ただ、一口にうつ病といっても原因や種類は様々ありますから、ストレスが主な原因で起こる心因性うつ病であれば抗うつ薬の治療と共にストレスの原因を取り除く、もしくは緩和させる必要がありますし、他の病気などが原因で起こる身体因性うつ病であれば、まずその原因となっている病気の治療が最優先となります。
どんなうつ病にせよ重要になるのは重症化する前に治療に取り掛かる事なので、何度も書くようですが心療内科や精神科の敷居の高さに受診を躊躇せず、「何かおかしいな」と感じたら速やかに医師に相談してください。
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