神経科と神経内科の違い

前のページで「心療内科・精神科・神経科の違い」を取り上げました。

詳しくは前ページを見てもらうとして、簡単に要約すると「うつ病やパニック障害などの精神疾患は精神科で診てもらうもので、精神科と神経科は同じもの。心療内科は本来精神疾患以外のストレスといった心因的なものが原因の身体症状を診る科ですが、精神科という響きから来る敷居の高さを嫌がる患者も多いので現実には心療内科も精神科と同様に精神疾患を診ている事がほとんど」という内容でした。

つまりここで取り上げる科の一つである「神経科」は「精神科」と同義であり、現実的な話をすれば「心療内科」ですらほとんど同じものとなります。

そして本題の「神経科と神経内科の違い」ですが、精神疾患…心の病を診る神経科に対し、同じような名称の神経内科は具体的にどういったものなのか?

神経内科は脳・脊髄・末梢神経・筋肉の疾患を取り扱う診療科で、主な病は以下の通り。

■脳卒中
■パーキンソン病
■認知症・アルツハイマー病
■筋萎縮性側索硬化症・筋ジズトロフィー
■辺頭痛・緊張性頭痛といった頭痛全般
■手足のしびれ

…などで、精神疾患を診る神経科とはまったくの別物となっています。
ちなみに「神経内科」と「脳神経内科」は同一のものです。

神経科と神経内科は「内」が付くかどうか違いだけなのに、なぜこんなに違うのか?

どちらの科も「神経」を標榜しておりますが、この“神経”の捉え方、考え方は大きく違い、「神経を疑う」といった言葉で用いられるような「神経=心・精神」という考え方なのが神経科です。

一方の神経内科は体中に張り巡らされ脳の指令を伝える物理的な神経を指しており、異なる意味合いを持つ一つの言葉をどちらの科も使っている事が混乱を招く原因となっています。

神経科と精神科は同義で、しかも本来うつ病やパニック障害などといった精神疾患を診る科ではない心療内科すら今では精神科と混同して実質「神経科=精神科≒心療内科」となっているのですから、これらを統一した名称にすればいいような気もします。

せめて神経科という名称を廃止し精神科に一本化できないものでしょうか。

辛い心の病を治す抗うつ薬

あわせて読みたい関連記事