心の病の治療法、森田療法って何?
うつ病やパニック障害などの心の病や精神疾患で苦しんでいる方はネットなどを使って治療法や対処法を探す場合も多いと思います。
一般的な心の病の治療法は「薬物療法」「認知行動療法」の2本柱で、それ以外に精神科に特化した病院などで行っている精神科デイケアやリハビリテーションなどもあり、細かく分類すればその治療法は多岐に渡ります。
そして色々調べていくうちにちょくちょく目にするのが「森田療法」なるものなのですが、これは他の治療法とは方向性が異なり異彩を放っていると言っても過言ではないと思いますが、気になるのは森田療法がどれほど効果があるのかという点。
森田療法の基本中の基本である考え方に…
「あるがままを受け入れる」
…というものがある。
うつ病など様々な心の病の治療に用いられる森田療法ですが、特に社会不安障害やパニック障害といった不安神経症、強迫性障害などに効果が高いとされます。
不安障害などの心の病にかかると「不安」や「恐怖」にとらわれ、それらにとらわれることによってより症状を悪化させてしまい、それを回避しようとどんどん行動範囲が狭くなってしまうというのは社会不安障害やパニック障害で苦しんでいる方の典型的な症状だと思います。
実際に私も吐き気にとらわれ様々な場面で「吐き気が襲ってくるんじゃないか…」という不安や恐怖により緊張が高まり、結果その緊張や不安によって吐き気を誘発してしまうという悪循環に陥っていました…というか陥っています。
森田療法はまさにこの「とらわれ」を取り除く事によって完治を目指す治療法。
社会不安障害やパニック障害にかかっている方は不安や恐怖が襲ってきた時「どうにかしてこの不安を消そう」「とりあえず落ち着け」といったように症状を抑えようと努力すると思いますが、それはまさに症状に「とらわれ」ている事に他ならず、症状を必死になって抑えようとすればするほど悪化していくものです。
不安や恐怖により症状が出てきて苦しい時に、ふと予期せぬ突発的な出来事によりビックリした結果、瞬間的に症状の事を忘れ症状が治まってしまったという経験はありませんか?
これこそが「とらわれ」の怖いところで、症状の事が完全に頭から排除されれば嘘のように症状は無くなるのに、頭の中に症状の恐怖や不安がこびり付き、それが症状を引き起こし悪化させ、さらなる不安や恐怖を生むという悪循環に陥るのです。
そしてそういった症状を出さないようにする準備したり避けたりする行動、症状を抑えようとする行動の事を森田療法では「はからい」と呼び、その「はからい」が更なる「とらわれ」を生むので、そういったものを捨てる必要があると説いています。
不安障害やパニック障害といった心の病にかかると、行動する時にまず「症状が出ないように気を付けよう」「これをすると症状が出るかもしれない」と考えてしまいがちですが、それは「まず症状ありき」の行動であり不自然です。
というのも、本来人は「目的ありき」で行動するのが自然であり、「症状ありき」で行動してしまうと行動範囲は徐々に狭まってしまいますから、症状のすべてを受け入れ一切の「はからい」を捨て去り「とらわれ」の悪循環を断ち切るためにも目的のために行動するべき…というのが森田療法なのです。
確かに…確かにその通りだし、それが理想なのも分かりますが…
森田療法の基本的な考え方は上記のようになっており、理想的で論理的な治療法である事も理解できますが、今現在不安障害で苦しんでいる人間からするとどう映るのか…次のページで私なりの個人的な解釈を書いていきたいと思います。
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