タバコの喫煙によるニコチン依存症
喫煙が肺や気管をはじめとした様々な臓器に悪影響を与えるのは誰しもが理解している事で「百害あって一利なし」と揶揄されるほどタバコは身体にとって有害なのですが、下図を見てもらっても分かるように一時期に比べかなり減ったとはいえ日本の喫煙率は高く、タバコを止められない大きな原因が「ニコチン依存症(ニコチン中毒)」です。
喫煙者に対するニコチン依存症の割合はおよそ67%と喫煙者の3人に2人はニコチン依存症となっており、その数は1,300万人にのぼります。
喫煙が強い依存を生む理由は、ニコチンが脳内の神経系に作用し一時的な快楽や覚醒効果を得られる一方、ニコチンの血中濃度の半減期は30分ほどであるため徐々にニコチンの作用が低下し、それを補うために脳がニコチンを求めるため。
そのため喫煙者が長時間タバコを吸わないと、イライラしたり落ち着かなくなったりし仕事の作業効率が下がったり、場合によっては頭痛や不眠といった離脱症状(禁断症状)が表れ、かなりの不快感を感じます。
そしてこういった離脱症状は喫煙後30分で表れはじめます。
「タバコを吸うとストレス解消になる」と言う方もいらっしゃいますが、それは大きな勘違いであり、離脱症状というストレスや不快感を喫煙でニコチンを体内に取り入れる事によって一時的に紛らわせているに過ぎないのです。
「喫煙はストレス解消やリラックス効果がある」は大きな勘違い
ハッキリ言ってしまうとタバコは麻薬と何ら変わりなく、日本の法律で禁止されてはいるが「比較的依存性が低い」とされている「大麻」よりもタバコのニコチンの方が依存性が高く、また有害だという研究機関などの報告も多いほど。
少し大げさに言うとタバコは「合法麻薬(合法ドラッグ)」とも感じます。
これだけの依存性と有害性を併せ持つにも関わらず法で規制されない背景には「嗜好品だから」という詭弁の裏側に様々な経済的、政治的な思惑が透けて見える。
少し話が逸れましたが、実は喫煙者の半数ほどは潜在的に「禁煙したい」と考えているらしく、しかしそれが実を結ばないのは離脱症状の辛さなどに加えて「生活習慣に組み込まれている」といった理由も極めて大きいと元喫煙者の私は感じています。
「食事後の一服」「仕事後の一服」「寝起きの一服」などといったものは喫煙者ならではの「愉しみ」であり、また一種の儀式のようでもあり、長年染み付いたこの「儀式」が出来なくなるというのは結構なストレスになるのは激しく理解できます。
そしてニコチン依存症はアルコール依存症とは違い、問題行動などによって家族が崩壊したり会社を辞めざるを得なくなったりといった「目に見える害」が少なく、「今すぐでなくてもいいだろう」という甘えが発生しがちです。
もちろんあまり目に付かないだけで確実に身体は蝕まれ、タバコ購入費や医療費といった金銭的な負担は増え、周りに人間からは「今時タバコ?」「臭い」などと冷ややかな目で見られていますし、周囲の人に副流煙を吸わせ健康を害している可能性すらあります。
ニコチン依存症自体が精神疾患に分類されますが、喫煙は当サイトで取り上げているようなうつ病やパニック障害などの心の病を悪化、発症させる要因にもなります。
少しでもタバコを止めたいという気持ちがあるのであれば、目先の快楽に目を奪われず「喫煙」に対して長期的な視点で今一度冷静かつ客観的に見つめ直して下さい。
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