パニック障害総合 ―はじめに―
はじめに
パニック障害は突然の動悸や息苦しさ、めまい、手足の震えなどの症状が発作的に現れ、すさまじい恐怖感と不安感に襲われる精神疾患の一つで、この発作の症状は「パニック発作」と呼ばれ、このパニック発作が起きる病気のことをパニック障害と言います。
近年増加しているといわれますが、こういった病気は不安神経症として昔から存在し、1992年に世界保健機関(WHO)によって独立した病名として登録された事により広く知れわたったので、パニック障害になる人が増えているというより、パニック障害と認定されている人が増えていると言った方が正しいかもしれません。
近年は長嶋一茂さんやIKKOさん、高木美保さん、堂本剛さんなど有名な芸能人の方なども自らパニック障害を告白したりしており、その認知度は急速に広まってきています。
このサイトを見て下さっている方はご自分、もしくは家族などの近しい方がパニック障害などの精神疾患で苦しんでいる方だと思いますが、私自身も不安障害で「パニック障害」と診断されたこともあり、こういった病気の辛さは痛いほど分かりますし、治療の難しさも痛感しております。
パニック障害の治療法は坑うつ薬や精神安定薬を使った薬物治療はもちろん、徐々に行動範囲を広げていく「認知行動療法」が極めて重要になるのですが、この認知行動療法を行うにはそれなりのパワーが必要ですし、ほんと大変なんですよね。
そして様々な治療法を組み合わせ、必死になって治そうとしてもなかなか完治は難しい…
よく「パニック障害は完治する!」といった安易な文句を謳ったサイトや書籍を目にしますが、おそらくそれは宣伝文句だったり、もしくはパニック障害の本当の恐さを知らない知識だけの人間が書いているに過ぎない薄っぺらいものだと私は認識しています。
症状が寛解…ほぼ無症状になり一見完治したように見えても、ふとしたキッカケで再びぶり返したりするのが不安障害の特徴で、実際私も2度ほど寛解しましたが、現在は3度目の不安障害真っ只中です。
それでも不安障害に対する知識を深め自分なりの対処法を増やすことによって、ある程度はコントロールはできるようになっています。
完全に完治する事はなかなか難しいパニック障害ですが、完治している方も多々いらっしゃいますし、仮に完治まで行かなくとも上手くコントロールしながら少しでも行動範囲が広がる手助けになれば幸いです。
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