拒食症(神経性無食欲症)の特徴
拒食症(神経性無食欲症)は極端に少量の食事しか摂取しない、もしくはまったく食事をしないという心の病のひとつで、生命の危険に発展する事も多い病気です。
多くの場合ダイエットや「痩せ」への願望がエスカレートしたものなのですが、その根底には幼少期の家庭環境などによるPTSD(心的外傷後ストレス障害)が原因ともいわれており、心理的な要因が大きく関わっています。
ダイエットは本来スレンダーになって魅力を高める事が目的で痩せようとするはずなのですが、「痩せる」事のみが目的となってり過剰に痩せていくのが拒食症の特徴で、多くの方が一度は取り組んだ事があるであろうダイエットで、拒食症に発展してしまうというのは何かしらの心理的要因が絡んでいるのは想像に難くありません。
上記の理由から10~20代の女性の発症が圧倒的に多く、男性の発症は全体のおよそ5%程度だといわれております。
拒食症になった場合、ダイエットの本来の目的である「美」への意識や概念は歪み、世間の多くの男女が「理想」とするであろう「やや細め~細め」では到底満足できず、周囲から見て明らかに「ガリガリ」というレベルになってもなお痩せようとします。
そこには「痩せる事は正義、太る事、体重を増やす事は悪」という明確なルールが存在しており、体重が30kgを切っているような状況でも体重を増やす事は許されない事であり、そこからでもさらに体重を減らそうとします。
その状況では、世間一般での「女性らしさ、女性としての美しさ」は皆無なのですが、そういったものを超越した「美学」に囚われ、それを遂行する。
太る事、体重が増える事への異常なまでの不快感や恐怖(強迫観念)が伴う事から「強迫性障害(OCD)」も密接に関連していると思われ、治療は一筋縄ではいきません。
しかし一方で「食事をする」という生命維持の根幹を否定する拒食症は、往々にして「生命の危険」にさらされる事から、早急な治療が求められます。
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