むちゃ食い障害の特徴と症状
「むちゃ食い障害」は過食症と同じく大量の食物をどか食いするのが特徴ですが、このむちゃ食い障害と過食症には決定的に違う点があり、それは下痢や嘔吐といった「代償行為」を伴うかどうかです。
過食症は過剰な食事量と、下剤による下痢や利尿剤の利用、自己誘発性嘔吐による体外への排出(代償行為)がセットですが、むちゃ食い障害の場合代償行為は行われず、故にむちゃ食い障害を患っているほとんどの方が肥満です。
また、過食症に代償行為が伴う大きな理由に「痩せへの願望」や「太る事への恐怖」などの美意識が関連しており、発症する方のほとんどは10~20代の女性ですが、むちゃ食い障害はそういったものが存在せず、発症する年齢層も過食症より高く、半数は男性となっています。
ただ、どか食い後の後悔や自己嫌悪といったものは共通しており、抑うつ状態の方も多い。
むちゃ食い障害によって引き起こされる主な症状は以下のようになっています。
■肥満 … 度重なるどか食いでカロリー過多
■うつ病 … むちゃ食い障害に発展するきっかけとなったストレスや、強い自己嫌悪により
■糖尿病 … 肥満によりインスリンの働きが悪くなる
■高血圧 … 糖尿病同様の理由や体内を循環する血液が増え、より強い圧力が必要になる
■高脂血症 … カロリー過多により血液中の脂質が増える
■動脈硬化 … 糖尿病、高血圧、高脂血症などが原因で加速
■心疾患 … 肥満により循環血液の量が増え、心臓を酷使
上記を見ても分かるように、むちゃ食い障害によって引き起こされる症状の多くが「肥満」に起因したもので、上記以外にも様々な臓器に悪影響を与え「脂肪肝」や「痛風」「脳卒中」などの危険性を高めます。
むちゃ食い障害の方の多くは肥満ですから、「肥満の人はみんなむちゃ食い障害?」と考えがちですが、ただの肥満とむちゃ食い障害は異なります。
ただ単に太っている方は「運動は嫌いだけど食べるのは好き」という、普段の何気ない生活の中で消費カロリーより摂取カロリーが上回っている状態。
しかしむちゃ食い障害の方は過剰な食事量に自分自身が嫌悪感を持つ一方で食べだしたら止まらず、食べ終わった後で強い後悔や自己嫌悪に陥るため、人前ではむちゃ食いはせず、一人の時にのみむちゃ食いを行う傾向にあります。
むちゃ食い障害を患っている方の多くが他の心の病を併発している点を見ても、心理的に何かしらの病や障害を抱えていると考えるのは自然といえます。
ご自身や周囲の方は「どか食いの後に嘔吐とかをするわけでもないし、ただの肥満だろう」と決め付けず、抑うつ状態や精神的に不安定なものを感じたら、一度心療内科や精神科を受診してみて下さい。
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