適応障害の治療法「認知行動療法」
本来適応障害の治療として一番適切で理想的なのが、ストレスへの抵抗力をつけ、ストレスに慣れる方法…「認知行動療法」です。
というのも、前ページでも書いた「ストレス原因から離れる」という方法では、現在罹っている適応障害は軽減、もしくは治癒するかもしれませんが、別の強いストレスが発生した場合、再び適応障害にかかってしまう可能性があるからです。
ですから、ストレス自体に抵抗力をつけストレスに強くなる事で、何か別の強いストレスが発生しても適応障害になる可能性は減り、本当の意味での「治癒」が見えてきます。
適応障害は、普通の人なら大した事のないストレスに対し適応できず大きなストレスを感じてしまう事で発症する病気であり、そこにはその人独特の物事の捉え方や考え方のクセがあり、それによって普通の人ならとるに足らない社会生活のストレスに大きな苦痛を感じてしまいます。
認知行動療法はこの「物事の捉え方、考え方のクセ」によって引き起こされていた、今まで大きなストレスになっていた事への認知を変える事によってストレスの軽減を図り、病状を改善していく治療法です。
実は一口に「認知行動療法」といっても種類は様々で、症状によって使い分けがなされるのですが、性格や環境が大きく関わってくる適応障害においてはストレスへの対処スキルの獲得や物事の認知を再構成する方法が適しているでしょう。
それにはまず自分自身の適応障害について詳しく理解する必要があり、またその原因と向き合う必要があるため、その事自体に不安や恐怖を覚える方もいらっしゃいますが、一歩を踏み出さなければ何も始まりません。
適応障害を患うに至った詳しい原因や症状に合わせた認知行動療法を行うためには専門家によるカウンセリングを受けるのが理想ですが、認知行動療法は心療内科や精神科ならどこでも行っている訳ではなく、むしろ多くの医療機関は簡単な問診とアドバイスだけで、あとは薬を処方して終わり…という病院が多いのが実情で、まずカウンセリングと認知行動療法に力を入れている病院を探す事が必要になります。
私の経験上で恐縮ですが、私がかかったことのある精神科や心療内科は、比較的大きな病院の心療内科が2ヶ所、入院施設がある精神病院が1ヵ所でしたが、どちらも薬物療法メインでこれといったカウンセリングも認知行動療法も行っていませんでした。
私がかかった病院がたまたまそうだったに過ぎないのかも知れませんが、個人でやっている心療内科の方が認知行動療法などを積極的に行っているのかもしれません。
病気に悩んでいる上に病院探しをするというのは精神的にも肉体的にも辛い事ですが、心の病の多くは薬物療法だけでは根本的な解決にならない場合が多く病院選びが重要になりますから、無理のない範囲でいくつか病院にかかってみて最適な病院を探し出して下さい。
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