社会不安障害(SAD)の治療法
社会不安障害(SAD)の治療は主に「薬物療法」と「認知行動療法」の2つになります。
社会不安障害の強い不安や恐怖、緊張などはセロトニンやノルアドレナリンなどの脳内神経伝達物質の過不足などが原因の一つなので、薬物療法により脳内神経伝達物質の量を調整する事で症状を改善させます。
一般的にはSSRIなどの抗うつ薬を毎日飲みながら、必要に応じて抗不安薬を服用するような形になり、これによって過剰な不安や緊張を抑える事ができます。
しかし薬物療法だけでは社会不安障害は治りません。
社会不安障害に限らず不安障害全般に言える事ですが、限局型や非全般型であれば強い不安を感じる特定の場面に、全般型であれば社会生活全般に「慣れる」必要があり、またそれらに対する意識を変える必要があります。
それを担うのが「認知行動療法」で、極論から言えば薬物療法を行わずとも認知行動療法だけで完治させる事も可能なほど社会不安障害にとって重要な治療法となります。
これは「薬物療法は必要ない」と言っているのではなく、「薬物療法は治療を補助し、早期に病状を改善させる手助けになる」というもので、「薬を飲めばもう大丈夫」というものではない事を理解して下さい。
いくら薬物療法で過剰な不安や緊張を和らげても、不安を感じる場面や社会全般に対する考え方や捉え方を変えなければ不安障害は治らず、同時に場数を踏んでそういった場面に慣れなければ病気ではない普通の人のような社会生活は送れないからです。
ですから、社会不安障害におけるメインの治療法はあくまでも「認知行動療法」なのですが、認知行動療法は自ら考え方や捉え方を変え、また行動する努力が必要になってきます。
これは社会不安障害に罹っている人には結構辛い事でもありますが、普通の生活を取り戻すためにも出来る限り取り入れるようにしましょう。
ただしこれらはあくまでも正しい認知行動療法を行う事が前提で、急ぎすぎたり間違った治療法を行うとかえって悪化させる原因にもなりますので、信頼できる医師を探し、適切な治療法を教えてもらうようにするのが病状改善への近道です。
では次のページから具体的な治療法などを紹介していきます。
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