社会不安障害の病状が酷く病院に行けない方

社会不安障害(SAD)は強い不安や緊張によってめまいや震え、吐き気、呼吸困難などの身体症状が現れる病気で、その辛い記憶から「また起こるのでは…」と予期不安を感じ同じ場面を避けるようになります(回避行動)。

その不安や緊張がエスカレートすると強烈な予期不安から外に出る事すら恐くなり、引きこもりになってしまう場合もあります。

当サイトではどの精神疾患に対しても「とりあえず一度医師にかかり、適切な診断を受けそれに対応した薬をもらい、対処法を聞くべき」と書いていますが、中には「症状が酷く外に出るのも辛い。病院になど行けない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?

ちゃんとした知識を身に付け対処法を教えてもらうには良い精神科や心療内科にかかるのが一番手っ取り早いのですが、重い社会不安障害に悩まされている方にとって長い待ち時間と他の患者が多くいる「病院」というのは敷居が高かったりします。

実際私も症状が強い時には病院に行くのは辛い…

現在心療内科などのかかる人は増加しており、しかもそういった病院は完全予約制を取っている場合が多く、初診の予約は1~2ヶ月待ちという事もザラで、せっかく一念発起して「病院に行こう!」となっても「数ヶ月待ちです」と言われると決心も揺らぐ。

しかし病院に行く事が早期の病状の改善に繋がるのは間違いないので、どうにか病院に行く方法をちょっと挙げてみます。

■病気を理解している親しい知人や家族に付き添ってもらう
■電車などを使わずに済む、出来るだけ近い医療機関にかかる
■近くに病院が無い場合は家族などに車で連れて行ってもらう
■待ち時間に病院にいる必要はなく、少し遅れても事情を話せば概ね分かってもらえ
■予約は無いがとにかく早く診てもらいたい場合は病院で事情を説明し、最後に回されてもいいから診てもらう
■仮に当日調子が悪い場合は「延期すればいいや」くらいの軽い気持ちで臨む
■思い立った時に行けるよう予約制ではない病院や「予約優先」の病院を探す
■どうしても外出できない場合はネットや書籍などで「認知行動療法」を調べ実践する

やはり「予約制」というのが結構ネックになるのですが、本当に心の病の患者の事を分かっている良い医師であれば予約制であっても事情を話せばある程度融通を利かせてくれるもの。

上記で挙げたものはある程度外出できる前提のものが多く、「外出できないから、こんなの無理」という重い症状に苦しんでいる方は自分で認知行動療法を行っていくのがよいでしょう。

社会不安障害において薬物療法はあくまでも「補助」であり、治療のメインは認知行動療法である事は疑いようもなく、薬物治療無しに認知行動療法だけでも寛解にまで回復する事は十分可能です。

当サイトでも認知行動療法の事を書いていますので参考にしてみて下さい。

ちょっと厳しい言い方になりますが、一つ言えるのは「認知行動療法が最善の治療法である事からも、全く努力せずに治す事は不可能」という事で、「辛いから家から出ない」ではいつまで経っても良くなりません。

少しずつでもいいので、一歩一歩前に進んでいきましょう。

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