内因性うつ病　性格や遺伝が原因のうつ病

うつ病はストレスが原因とは限らない

内因性うつ病は一般的に言われている心理的なストレスなどが原因ではなく、自分が元々持っているものが原因で発症するうつ病の事です。

具体的には「性格」「遺伝」「体質」などで、外的な心理的ストレスが原因となる「心因性うつ病」と大きく異なり身体の内側に原因がある事から「内因性」と呼ばれています。

「内因性うつ病」は3つに大別され…

■単極性うつ病　…　うつ状態のみが現れる、一般的によく言われるうつ病の典型的な症状で、大うつ病とも呼ばれ重度になる事も多く、再発を繰り返す事が多いやっかいなうつ病です。

■双極性うつ病　…　躁状態（気分がハイになっている状態）とうつ状態を繰り返すもので「躁うつ病」とも呼ばれ、気分の盛り上がりと落ち込みが激しく、躁状態の時は対人関係も良好なため他人に気付かれにくいのも特徴です。

■退行性うつ病　…　45歳以上の中年が発症する単極性のうつ病です。

内因性うつ病はこれといった大きな原因が無くとも遺伝や体質により脳内の神経伝達物質であるセロトニンやノルアドレナリンが不足し発症する事が多く、薬物治療でこれら脳内の神経伝達物質を分泌を促進させる治療法が有効になります。

「心因性うつ病」は外的な心理ストレスにより引き起こされるので、そのストレスを軽減、回避させる事で改善が見られますが、「内因性うつ病」は身体の内部に大きな原因があるため重症化する場合が多く、また身体の内部に原因があるという性質上再発しやすいのも特徴です。

双極性のうつ病場合、躁状態では明るく社交的になるので周りの人間はうつ病にかかっていると認識しづらく、ひとりで症状を悪化させる傾向にありますので、「テンションが高すぎる」「たまにふさぎ込んでいる」といった状況を目にしたなら注意深く見守ってください。

内因性うつ病の治療はまず抗うつ薬から

内因性のうつ病は心因性うつ病より薬物治療の効果が比較的出やすいので、出来る限り早く病院にかかり薬を処方してもらう事が大事です。

内因性のうつ病の場合遺伝や体質によりセロトニンやノルアドレナリンが不足する事により引き起こされる事が多いので、抗うつ薬の中でもパキシルやジェイゾロフトといったSSRI（選択的セロトニン再取り込み阻害薬）やSNRI（セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬）が非常によく効きます。

SSRIやSNRIがよく効き比較的短期間で症状が劇的に良くなる事が多い一方で、体質や性格的な面が原因であるがゆえ再発と治癒を繰り返しやすく、たとえ症状が改善されても再発防止の手立てが必要になります。

内因性うつ病再発防止の最善の方法は自分の性格などを見直し理解する事で対処法を学んだりする「認知行動療法」とされ、抗うつ薬の治療が終わった後もレキソタンやソラナックスなどの向精神薬を頓服用に所持しておくというのも有効です。

必ずしも心理的ストレスが原因とならないのが内因性うつ病ですから、あまりストレスを感じない状況に置かれていたとしても「うつ病にはならないだろう」と決め付けないよう注意し、極端に意欲が低下したり憂鬱な気分が長く続くようであれば早いうちに一度医療機関を受診するようにしましょう。