うつ病の治療法:休養

うつ病治療において「休養」は重要な位置付けにあります。
これまでうつ病治療の中心にある「薬物治療」と重いうつ病の場合の「入院治療」について解説してきましたが、今回取り上げる「休養」はちょっと毛色が違います。

薬物治療や入院治療は「医師の指示を仰ぎ、それに従う」というものですが、「休養」と一口に言われても人によって休養の形態は違いますし、今まで仕事をバリバリこなしてきた方などは「休養しろ」と言われても何をしていいのか分からないという事態も考えられます。

一般的にうつ病治療における休養は仕事や家事といった毎日忙しくこなしているものから距離を置き、ストレスなどを減らす事を目的としていますが、休養を取るといっても同じ職場で働き続け、同じ家庭環境で生活しているのですから「仕事を休む」「家事を全くしない」という事は難しいのが現状だったりすると思います。

しかしあなた、もしくはご家族のうつ病が明確に日常生活から来るストレスが原因で、明らかに日常生活に支障をきたしているのであれば仕事や家事から一度切り離す必要があります。

「生活がかかっているから仕事を辞めるわけにはいかない」
「旦那は働いているし、子供も小さいから私が家事をやらないわけにはいかない」

どうしてもそういったしがらみが存在するとは思いますが、うつ病を長引かせより悪化させてしまうようであれば、いずれ仕事や家事も手に付かなくなるでしょうし、そういった理由から家庭の雰囲気なども悪くなり家庭崩壊にもなりかねず本末転倒となってしまいます。

ですから「仕事を休むわけにはいかない」「家事をしないわけにはいかない」と決め付けず、一度職場の近しい上司やご家族としっかり話し合い、仕事や家事を休んだり、完全に休むまではいかないまでも職場の仲間や家族に協力してもらい負担を減らすような解決策を見出す事が重要となります。

責任感の強い方であれば「周りに迷惑や負担をかけてしまう」と躊躇するでしょうが、その責任感は独りよがりですし、その責任感があるがゆえにうつ病を患ってしまったと理解して下さい。

そしていざ休養を取る、もしくは仕事や家事の負担を減らす事が出来たとしても、今まで忙しく動いていた方などは「休みといっても…じゃあどうしよう?」となりがちです。

次のページでは休養を取るにあたっての心構えや過ごし方などを私の経験にそって紹介していきますので、参考になれば幸いかと。

辛い心の病を治す抗うつ薬

あわせて読みたい関連記事